番頭、初めて茶摘みに行きました。
女将(連れ合い)は近所のおばあちゃんに誘ってもらって数年前から茶摘みを始め、体調がすぐれずにおばあちゃん達が行かなくなった今も、律儀に毎年続けています。
茶の木の若葉は鮮やかでツヤツヤした黄緑色なので、古い葉っぱとは容易に見分けがつきますし、柔らかいので爪を立てれば簡単に千切れます。
ただ、採っても採っても嵩が増えず、小一時間をかけても紙袋一杯にはなりませんでした(自分の用事を済ませて急いで女将を追いかけたので、こんな紙袋しか見つかりませんでした)。
二人合わせればある程度の量にはなるでしょうが、これを火で蒸して揉み、更に乾燥させればほんの僅かにしかなりません。
それでも、若いお客様や子供さんが『美味しい!』とか『キレイ!』と驚いてくれたり、年配の方から『懐かしい味がする』と言っていただくのが嬉しくてつくり続けています。
時々ウグイスが鳴き、遠くからは田んぼの畔でも刈っているのでしょうか、草刈り機のエンジン音も聞こえてきます。
しかし茶の木のある杉林はヒンヤリとして涼しく、そのためか山蛭も現れませんでした。
昔は、田植えの準備のかたわら、おばあちゃんやおかあさんが山に出かけてセッセと摘んでいたのでしょうが、今はほとんどお茶を手作りしようとする人はありません。そのため茶の木も忘れられています。
陽の当たらないところでも毎年律儀に若葉を付け、わずかずつ大きくなっていく茶の木を忘れないようにしたいと思います。
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