以前、東北地方の大学に3年間留学したことのある男性が、日本の風景や住まいなどを家族に見せたいと、約二十日間の日程で来日され、うち二日を当宿で過ごされました。
夕食のオーダーは無かったのでお尋ねしたら、どこか適当なところで摂るつもりだとのこと。
当地には夕食を提供するお店が殆ど無いので、以前利用したことがあり、値段もリーズナブル、お店のみなさんも優しいお寿司屋さんがあることをお話しし、すぐに問い合わせました。幸い営業しており個室もあったので、大体の金額を伝え了承をもらった後に予約を入れました。
夕食までの間には近くの棚田へ。ご家族のためにあかじめ良さそうな観光スポットを幾つか調べておられました。先日の新聞に、棚田のつくり手が減っていると書いてあったので、いい景色を見られたのか少し気がかりでしたが、ウッカリ確かめるのを失念してしまいました。
夕食のお寿司屋さんまでは私(番頭)が自転車で先導してお送りしました。フランス人のご家族だと言うと店の女将さんが戸惑っておられましたが、お一人が日本語もできるしメニューも読めるとお伝えし、サービスしてくれるようにお願いしました。食後お聞きすると、価格も量も丁度良かったと喜んで頂きました。
ホタルが見たいとのことだったので再び自転車ですぐそばの川べりにご案内しました。ところが一昨日には乱舞していたホタルが一匹たりとも見当たりません。夜になって急に気温が下がり風もあったので、どうやらホタルもフラフラせずに大人しくしていたようです。とても残念でしたが、幸い前日に京都の山間で沢山のホタルを見たとのことでホッとしました。気象条件によってこんなにも違うのだと、いい勉強になりました。
民宿に戻ってからは近所の店で買っておいた花火を中庭で楽しんでいただきました。フランスでは誕生日の時くらいしかしないそうで、ご両親も子供のように喜ばれました。花火を買ったお店のおばあちゃんが言うとおり、去年の花火は少々着火が良くなかったのですが…。
ゆっくりと眠って女将の作っただし巻き卵メインの朝食を摂っていただきました。
出発直前に裏の庭でラベンダーを少し摘み取りしていただきお土産にしました。周りに咲いた数種類のアジサイを見ていたら、一緒だった娘さんの名前はフランス語のアジサイに由来しているとご婦人がおっしゃっいました。何だかとても嬉しく、いい時期に来ていただいたと改めて思いました。
これまで外国にお住まいの日本人の方や、日本在住の外国の方をお迎えすることはありましたが、純粋に外国から見えた国外のお客様は初めてでした。
このあとは大阪に寄って、石垣島にもいらっしゃるとのこと。
私どもでの二日間が日本でのいい思い出になればと願っています。
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